国防の現場 2018 4 21

 2018年4月20日の産経ニュース電子版には、
日米首脳会談について、このような記事がありました。
 トランプ氏「シンゾーの顔をつぶすようなことはしない。
シンゾーの立場を守った上で対応している。
だが、600億ドル(対日貿易赤字)は何とかならないのか?」
(引用、以上)
 ここでいう「シンゾー」とは、
安倍首相のことです。
 この記事を読むと、トランプ大統領が、
「日本は、F-35戦闘爆撃機をもっと買え」と言っているように感じます。
 しかしながら、ステルス戦闘爆撃機であるF-35は、
敵機に気づかれる前に、
遠距離からミサイルを発射して決着をつけるという戦闘機です。
つまり、接近戦闘に入るのを避けるのが、ステルス戦闘機の基本です。
 しかしながら、このような戦い方は、
「先制攻撃」か「本格的な戦争」を連想させます。
 ところが、国防の現実は違うものとなります。
領空侵犯の可能性がある国籍不明機に対して、
「目視」で確認できる距離まで接近する必要があります。
 不測の事態が発生するのは、この時です。
ここから、ドッグファイト(格闘戦)に発展する可能性があります。
 たとえ、ミサイルや機関砲を発射しなくても、
まるで猛犬同士が互いに相手の尻尾を追いかけ合うような状態になることがあるでしょう。
 このような至近距離において、
高度な「機動性」がある戦闘機というと、
「F-15」か「F-22」が必要となります。
 「F-22」は、ステルス戦闘機ですが、
接近戦においても、高度な運動性能を発揮します。
 「F-15」については、日本はすでに保有していて、
「F-22」については、アメリカでは生産終了となっています。
そういうわけで、戦闘機で貿易赤字の解消は難しいでしょう。
(参考)
 スクランブルがメインとなっている日本の航空自衛隊には、
爆撃機でもあるF-35よりも、制空戦闘機であるF-22が望ましい。
F-35は、F-22に比べると小型なので、空対空ミサイルの搭載数が少ない。
 アメリカ空軍も、同じような悩みを抱えているかもしれません。
今でも、アメリカ空軍は、F-15を大量に保有していますが、
F-15は、やがて老朽化していくでしょう。

ドッグファイト 2018 2 25

 今日のニュースには、
F-35ステルス戦闘爆撃機の写真がありました。
 私は、F-35戦闘爆撃機については、
2016年9月25日に、「Code One Jet」という文章を書いています。
 F-35は、日本の民主党政権時代に採用が決定されましたが、
私は、「Code One Jet」という文章の中で、
「日本の国防指針の『専守防衛』と矛盾するかもしれません」と書いています。
 この戦闘機の特徴は、敵に気づかれることなく、
遠距離から「視程外射程のミサイル」を発射して決着をつけるというものです。
つまり、接近戦闘に入るのを避けるのが、ステルス戦闘機の基本です。
 このような戦い方は、
「先制攻撃」か「本格的な戦争になった場合」を連想させます。
 しかしながら、現実は違うでしょう。
平時においては、国籍不明機を発見したら、
目視で確認できる距離まで接近してから、
国籍不明機に対して警告をするでしょう。
これは、アメリカ空軍でも同じだと聞いたことがあります。
 不測の事態が発生するのは、このような時でしょう。
正に「目視で確認できる距離」で不測の事態が発生して、
国際紛争につながったというのが、今までの経験則です。
 そうであるならば、ドッグファイトに勝つにしても、
ドッグファイトを避けるにしても、
戦闘機には「驚異的な運動性能」が必要です。
 私は、ドッグファイトに強い戦闘機を開発するか、
「F-15イーグル戦闘機」をハイテク装備にするのが現実的だと思います。
 現在、F-15は、近代化改修が行われていますが、
さらなるハイテク化が必要でしょう。

Code One Jet 優良機 2016 9 25

書名 JWings Jウイング 11月号 イカロス出版
    日本初装備のステルス戦闘機F-35が完成

 ステルス戦闘機F-35には、3種類あります。
F-35A(空軍用)、F-35B(海兵隊用)、F-35C(海軍用)になります。
 今年の8月、アメリカのテキサス州にある、
ロッキードマーチン社の工場で完成して、
初飛行した日本向けのF-35の1号機は、
F-35A(AX-1)となります。
 AX-1からAX-4までは、
テキサス州の工場で製造され、
AX-5からは、三菱重工の小牧南工場で組み立てられます。
 この雑誌によると、
日本で最初に見ることができるF-35は、AX-5になる見込みだそうです。
 AX-1からAX-4までは、完成後、
アリゾナ州の空軍基地に送られて、
そこで、航空自衛隊のパイロットが飛行訓練を行うことになります。
 さて、F-35は、ステルス戦闘機なので、
日本の空の防衛の概念を変えることになります。
 ステルス戦闘機の基本は、
敵に気づかれることなく、
遠距離から「視程外射程のミサイル」を発射して決着をつけるというものです。
つまり、接近戦闘に入るのを避けるのが、ステルス戦闘機の基本です。
世界の趨勢も、「視程外射程のミサイル」が主流となっていくでしょう。
 そういうわけで、F-35は、F-15のように「接近した空中戦」を想定していないかもしれません。
あるいは、近距離まで接近して、未確認飛行機を威嚇するのも不向きかもしれません。
 そのうえ、F-35は、戦闘爆撃機なので、
爆撃の性能は、優れたものになっていくでしょう。
 そうなると、日本の国防指針の「専守防衛」と矛盾するかもしれません。
もちろん、F-35に、「視程内射程のミサイル」を装着すればよいのですが、
これは、ミサイルの「外付け」となりますので、
ステルス性能が低下してしまいます。
 そこで、日本では、国産のステルス戦闘機「心神」の開発が進んでいて、
「心神」が、優れた「接近した空中戦」性能を発揮すれば、
専守防衛という指針にも合致していきますが、遠大な話です。
そもそも、ステルス戦闘機の登場によって、専守防衛という概念は時代遅れになったでしょう。
 ところで、F-35の特徴は、データリンクです。
あらゆる軍事的資源とデータリンクして運用されることになるでしょう。
 つまり、F-35は、コンピューターネットワークが空を飛んでいるようなものです。
あるいは、コンピューターの手足が空を飛ぶようになったとも言えるでしょう。
そういうわけで、軍事のコンピューターネットワークの整備が非常に重要となります。


























































































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